愛すべき日本のお菓子展のご案内

okashiten
2023年2月3日(金) ー 4月23日(日)まで、東京銀座にある無印良品 銀座 6F ATELIER MUJI GINZA Gallery2にて、愛すべき日本のお菓子展が開催。
当店平戸蔦屋のカスドースも展示、販売ございます。
ぜひ銀座にお越しの際には、当店カスドース合わせてお楽しみいただけましたら幸いです。

開催;2023年2月3日(金) ー 4月23日(日)
時間:11:00 ─ 21:00
* 営業時間・休館は、店舗に準じます。
* 2月5日(日)は棚卸しのため、20:00までの短縮営業となります。
開催場所:無印良品 銀座 6F ATELIER MUJI GINZA Gallery2
入場;無料
*本展覧会会場でのお菓子の販売はございませんので予めご了承ください。
(カスドース販売の売り場等店舗にご確認ください。)

……………………….愛すべき日本のお菓子展…………………………………
古くから日本のお菓子は、米や小麦の穀物類や小豆・大豆などの豆類、葛粉など植物由来の原材料から作られています。
江戸時代に砂糖の流通が広まって以来、お菓子は庶民の食文化として広がっていきました。そして職人たちは地域の風土の中で育まれてきた素材を活かし、土地の文化と結びつけながら、その店ならではの知恵と工夫で菓子を発展させてきました。
わたしたち無印良品も素材そのものの良さを活かし、大事に考えることをものづくりの基本としています。食の分野では素材の風味や旨味を生かし、その組み合わせで味や香りを引き出すことを試みてきました。
現代では食の多様性や消費行動の変化から、便利さや見た目の華美さが食の商品価値として優先される一面もあります。しかしながら、シンプルな自然素材でできた日本の菓子は作り手の考え方や個性を伝え、素材自身のぜいたくを味わうという感覚を教えてくれるでしょう。
本展では、素材を活かしたシンプルな食の心地よさを考える料理家・長尾智子さんと一緒に長く愛されてきたふだんのお菓子を改めて見渡し、写真や映像、言葉によってお菓子の物語や作り手の想いを巡ります。自然の恵みと素材の力を改めて見つめ直し、豊かさとは何かを一緒に考えるきっかけになれば幸いです。
ATELIER MUJI GINZA

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あなたにとっての日本のお菓子とは何でしょう。子供の頃から食べ慣れたお団子やおまんじゅう、お煎餅に大福やおはぎ。昔ながらのお菓子は食べなくなったでしょうか。
巷に溢れる洋菓子、和菓子、和洋菓子の数々は、ますます華やかで目に楽しく賑やかさも加速しているようです。それが現在進行形のハレのお菓子の世界だとしたら、仕事の合間に、いつものおやつに、ふと思い出して手が出るのは、華美な姿でも味でもない、当たり前に身近にあるお菓子ではないでしょうか。気晴らしやイベントではなく、昔から側にあった、日常のお菓子です。
これだけ贅沢になった私たちの周りにあるお菓子は、なんでもありのようであまりに混沌としていて、この時代を表しているようにも見えます。
色んなことを見失いそうになることも多いこの頃、毎日食べるものは少し整理し過ごしたくなります。シンプルに無駄ないライフが理想、とは思っても、溢れかえるお菓子を見るとまだまだほど遠い。求めるから作る、求めるものがシンプルになれば、そういうものが現れるはずだから。
少し位置を正し、心地よさを手に入れるヒントの一つが身近な日本のお菓子にあると思うのは、決して大げさなことではない気がします。餅粉、砂糖、小豆だけでできたお菓子があるのを改めて知ると、シンプルであることに大事な要素にも気づきそうです。
今回並ぶ日本のお菓子は、皆がよく知っている種類のものばかりですが、改めて集めてみることで、お菓子がどんな存在なのかも再確認しました。昔から長く変わらずに作られてきたお菓子、古くはないけれど、作り手がどう考えて表したかがわかるお菓子、広く知られているだけに役割を担ったお菓子のいろいろです。
共通するのは、食べれば素材を感じ、深呼吸するように違和感なくお腹に収まること。ほんのひと時、お茶や飲み物と味わえば、疲れを癒し、心を落ち着けることができるお菓子は、ものの本来を思い出すにも必要なもの。飾り気のない味に、自然と素に戻ることでしょう。そして、少ない種類の材料で成り立っている知恵と工夫も感じるでしょう。佇まいが可愛らしい、愛嬌があると感じれば、それは作り手の心根の表れです。さて、数々のお菓子を眺めた後は、きっと何かしら食べたくなるはず。星の数ほどある日本のお菓子。身近なお菓子で休憩です。
一日一菓子、愛すべき日本のお菓子で良い日を。

長尾智子